【フィンランド教育体験講座】-講師:池田和秀氏-

【報告者】粂 あやの 東京大学法学部4年
【場所】東京大学本郷キャンパス第二本部棟415号室
【実施日】2009年8月16日


【実施内容】

13時〜17時 フィンランド・メソッド体験ワークショップ 1:自己紹介
2:講師の方によるフィンランドの教育事情など概要の説明
3:フィンランドの国語の教科書を用いた体験ワークショップ1
  「話の筋の妥当性を検討する」
4:フィンランドの国語の教科書を用いた体験ワークショップ2
「話の続きを二面的に創作する」
5:質問タイム&懇親会


【ゲスト紹介】


【池田和秀氏】
ワークショップ企画&ファシリテーター。フリーライター。日本ファシリテーション協会会員。日本シベリウス協会運営委員。 フィンランドの教育を現地取材してきた経験を踏まえて、フィンランド式の教育メソッドのエッセンスを日本の社会に生かすためのワークショップに取り組んでいる。またまちづくりワークショップなどのファシリテーターとしても活動している。 主な著作に「小さな音楽教育大国・北欧フィンランド〜シベリウス音楽院の指揮者教育を探る」(『音楽の友』2006年5月号)、「自学力に根ざすフィンランドの芸術家教育 学力世界一との共通項」(都留文科大学『地域交流センター通信 Vol.11』)、「シベリウスの国は小さな音楽教育大国」(NHK交響楽団『フィルハーモニー』2008年1月号)、「フィンランド・平等理念が支える高学力〜誰もが学べる教育の仕組み」(『クレスコ』2008年9月号)、「フィンランド・多様さに開かれた教育」(同2008年10月号)などがある。

【感想】

講師として、フィンランドの教育メソッドを用いて合意形成の方法などのワークショップを行っている池田さんに来ていただきました。学内・学外含めて12名の参加。教育の政策面に関心のある学生が多かったようです。  前段として池田さんにフィンランドにおける教育の概要を説明していただきました。その後、フィンランドの小学校で使用されている国語教科書を用いて授業を疑似体験するワークショップを行いました。始めに行ったものは、あるエピソードを読み主人公の解決策が妥当であるかをグループで吟味するという内容。次に取り組んだものは、あるエピソードの続きを創作するもので、その際に嬉しい/悲しいという両面の結末を想定するという内容でした。いずれにしても参加者は与えられたストーリーを鵜呑みにするのではなく、条件を見つけ、その中で他の可能性を探る、あるいは新しい結末を創作するという主体的な取り組みが求められました。加えてグループワークでは積極的に個人の意見の対立点と共通点を見つけることが重要視されました。  全体として学生は楽しんで参加していました。講師の方はグループワークにおける合意形成の方法としてまず評価軸を決めてから検討していたのが印象的だったと仰っていました。より深い発見をするには、参加者同士の信頼関係や参加者自身が意見の評価と人格の評価を切り離して認識することが必要だと感じました。 「フィンランド・メソッド」とは言っても何か魔法のような特別な技術があるのではなく、教育思想の重点の置き方の一つのバランスなのだと思いました。大切なのは「対話力」などの言葉を振り回すのではなく、自らが考える力とそれを伝える力を教育に関わる人の基盤にある文化において最も有効な方法を工夫することだと再認識しました。

【参加者からの感想】

・少人数だった点 ・参加型の勉強会で非常に楽しめました。こういう機会を幼少の頃から設けてほしかったなぁと思えました。少人数せいで意見交換が活発に行えたのもとてもよかったと思います。 ・ワークショップということで、レクチャーだけでなく実際に体験することができてよかったです。 ・実際に体験することで実感を伴って学ぶことができた。少人数で良かった。 ・具体的に、どのような教育方法なのか実践を通して学べたのが良かったです。 ・グループワークはあまり得意ではなかったのですが、今回のテーマは分かりやすく、対話しやすい内容でしたので、とても楽しかったです。 ・フィンランドメソッドを教わるのではなく、実践してみることで、体感できたところ、先生のファシリテーションがすごく良くてすっと入っていけました。 ・講師の方が非常に色々な準備をして下さってきた点。ワークショップで皆さんと一緒に作業できた点。 ・フィンランドメソッドを「体験」できたこと。 その体験自体が楽しく、学び多かったこと。 ・ワークの中で、いろんな参加者の方と話せた。 フィンランド教育の要点についての講義が、わかりやすかった。